今回は不動産取得税と固定資産税についてお話しします。
家が完成して登記が終わり、住宅工事代の残金を支払い、引き渡しを受けます。
これから楽しい新居での生活が始まるのですがしばらくすると、納税通知書が届きます!!
それが、不動産取得税と固定資産税です。
土地と建物、両方に係る税金で額も大き目になりますから、事前に知っておいた方がいいでしょう。
貯蓄をすべて住宅づくりの資金にまわしてしまうと、後の税金に対応ができなくなる可能性があるので、資金計画にも盛り込みたいものです。
不動産取得税(都道府県税)
不動産(土地・家)を取得すると、1度だけ課税されるのが不動産取得税です。
土地と建物、税額は下表となります。
税 額 | 適 用 期 間 | 納税通知 | |
土地 | 注1)評価額 × 1/2 × 3%- 注2)軽減処置 | 3%はH30年3月まで
(以降は4%) |
3~6か月後 |
建物 | 注1)評価額 -1200万円× 3% | 3%はH30年3月まで
(以降は4%) |
3~6か月後 |
注1)評価額とは固定資産評価額のことで、市町村役場で登録されている固定資産台帳の価額になります。
注2)a.土地1㎡当たりの評価額×1/2×住宅床面積×2×3%
b.45,000円
上記どちらかの多い金額
注3)
軽減処置:適用条件がありますが、土地を購入後3年以内に家が完成・入居できたら適用になると覚えておけばいいと思います。
では、計算してみます。
例)土地の評価額:800万円
土地の面積:200㎡(60.5坪)
建物の評価額:1400万円
建物の床面積:100㎡(30.25坪)
建物不動産取得税=(1400万円-1200万円)×3%=6万円
土地の不動産取得税=800万円×1/2×3%-(軽減額12万円)=0円
軽減処置=800万円÷200㎡×1/2×100㎡×2×3%=12万円
このように計算できます。
でも、これから造る建物の評価額ってまだ登録されてないよ!と声が聞こえてきそうです。
その通りです。
建物が完成し入居後に役場の担当者が訪問して、評価額を算出します。
なので建築前の資金計画時に割り出す評価額は、建物本体価格の60%から70%を目安額として計算します。
例)建物本体価格2500万円の評価額の目安は
2000万円×70%=1400万円です。
固定資産税(市町村税)
不動産(土地・家)を所有すると、毎年課税されるのが固定資産税です。
土地と建物、税率や軽減処置は下表となります。
税 額 | 軽 減 処 置 | 納税通知 | |
土地 | 評価額 ×1.4 | 土地面積200㎡までは評価額1/6
200㎡を超す部分は評価額1/3 |
翌年3~4月 |
建物 | 評価額 ×1.4 | 床面積120㎡までの部分につき税額が3年間(注1)1/2に軽減 | 翌年3~4月 |
(注1)床面積が50m2以上280m2以下であることが条件で、住宅の性能によっては5年間軽減を受けられる場合があります。
では、計算してみます。
例)土地の評価額:800万円
土地の面積250㎡(75.62坪)
建物の評価額:1400万円
建物の床面積:140㎡(42.35坪)
土地の固定資産税=200㎡までの税額+200㎡超部分の税額
200㎡までの部分=800万円÷250㎡×200㎡×1/6×1.4%=14,933円
200㎡超の部分=800万円÷250㎡×50㎡×1/3×1.4%=7,466円
14,933円+7,466円=22,399円/年間
ここで忘れていけないのが、その土地に住宅が存在する場合に限り、軽減の特例は適用されます。
すなわち、同じ宅地でも建物が建っていると税金は安くなり、更地だと高くなるのです。
建物の固定資産税=120㎡までの税額+120㎡超部分の税額
120㎡までの部分=1400万円÷140㎡×120㎡×1.4%×1/2=84,000円
120㎡超部分の税額=1400万円÷140㎡×20㎡×1.4%=28,000円
84,000円+28,000円=112,000円/年間
建物の床面積が40坪を超えると税金が高くなりますか?とたまに聞かれます。
これは、床面積120㎡(36.3坪)を超えると評価額が1/2にならないということで、割高計算になってくるのです。
次回、住宅購入に関するその他の税金についてお話しします。