任意の「次世代省エネ基準」から「改正省エネ基準」への義務化

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国策によって、日本の家が省エネ化に進んでいますが、省エネに関する法律がどうようなものなのか。

深く知ろうと思えば、大変難しい専門用語から勉強しなくてはなりません。

今回は、2020年に義務化になる「改正省エネ基準」が、それまでの「次世代省エネ基準」とどこが変わったのかを、簡単にお話しします。

省エネ基準法の変遷

 

上の画像にあります様に、省エネ基準は1980年の「旧省エネ基準」として制定されてました。

1992年には「新省エネ基準」として改定され、1999年には「次世代省エネ基準」として改定されました。

そして、2012年に現行の「改正省エネ基準」に改定され、2015年4月から施行しました。

新しく制定される度に、基準が厳しくなってきました。

それでも、これまでは義務化ではありませんでした。

国は、省エネ基準を満たした住宅には、補助金やエコポイントを与えて、省エネ化を促してきたのでした。

 

「改正省エネ基準」は「次世代省エネ基準」と何が違うのか

1.「建物」基準と「建物+設備」基準の違い

1999年に改定された「次世代省エネ基準」から現行の2015年に施行された「改正省エネ基準」へは、これまでの3度の改定とは大きく異なります。

現行の「改正省エネ基準」は、建物と設備機器を一体化して建物の「一次エネルギー消費量」を総合的に評価する仕組みです。

これまでは、住宅については壁や窓など(外皮)の断熱性能だけを対象とした基準でした。

それが、「外皮の断熱性能」を新しい計算方法に改めて、設備性能を加えて建物全体の省エネルギー性能を判断することになりました。

簡単にお話すると、今までは建物だけの判断でしたが今回は住宅設備(ソーラー・エコキュート―など)も併せて判断します。

 

2.建物自体はほとんど変化なし

大変重要な事が、建物の性能自体は大きな変化は無いと言うことです。

どちらかというと設備に頼った省エネ基準の様相が見えてきます。

以前ブログでお話した様に、外国の住宅先進国の住宅性能と比べて格段に劣っているのに、今回の「改正省エネ基準」でも大きな性能アップは無し。

何か違和感を感じるのは私だけでしょうか・・・

 

3.断熱性能の数値化

外皮の断熱性能を数値で出して判断します。

この新しい外皮の断熱性能の計算式が、まだまだ多くの工務店には浸透していません。

計算出来る工務店・出来ない工務店の状況を生んでます。

今の時点では「改正省エネ基準」は義務化ではないので「次世代省エネ基準」で作っても違法ではありませんが、あと4年したら義務化です。

知らないで建てたら4年後には基準には合わない住宅になってしまします。

4.C値(隙間相当面積)の削除

こちらについては、動画にて紹介致します。

 

まとめ

結論から言うと、車にも燃費と言う数値でエコカーを表す様に、住宅にも「改正省エネ基準」の住宅性能数値で表すと言うことです。

そしてその住宅性能数値を理解してる工務店で建築をお願いされるのがよろしいのではないかと思います。

しかし、「改正省エネ基準」住宅もそれほど高性能の住宅ではないということも理解いただければと思います。

 

※大変は事が決まりました↓↓↓

〇2019年1月追記ブログ

上記で国策として2020年に省エネ基準の義務化へ向かっていると記述して、現行の省エネ基準の性能をお話させて頂きましたが、残念な事に2018年12月の開催された国土交通省の有識者会議で、「2020年省エネ基準義務化見送り」の方針案がしまされました。

※「2020年省エネ基準義務化見送り」のブログはこちら≫

 

 

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